六日目……ゼロス・エステル・ベリル・モーゼス(ギート)











やっと私達の番が回ってきました!
ユーリから色々お話を聞いていて、ずっと楽しみだったんです!
なんでも、ユーリはと一緒にお料理をしたり“お兄ちゃん”と呼ばれたりしたとか…羨ましいです。


残念ながら私はと年があまり変わらないので呼び名は変わりませんが…一緒にお料理をすることは可能な筈です!







「じゃあまぁ一応恒例みてーだし役割分担しとくかぁ。えーっと朝食係は」

「はい!!!」

「じゃ、じゃあエステルちゃんにお願いしよっかな…(この気合の入りようはなんだ??)」



やりました!と二人でお料理出来る権利ゲット!!です!





「ほんじゃあワイが寝かしつけ…」
「却下。テメー寝相わりーだろ。それならギートのがマシだ」
「なんじゃと!!」

「ボクはどうすればいいの?あんまり料理得意じゃないんだよねぇ」
「う〜ん、そうだなあ。ベリルちゃんは俺様と一緒に夕食係は?手伝ってくれるとありがたいなあ」
「わかった!」

「ゼの字、ワイはどうするんじゃ!」
「うるっせーなあ。テメーは風呂入れ係だ!丁寧に洗えよ!」
「おお!任しちょけ!」





…なんか意外です。
ゼロスがゼロスではない感じがします。

しいなやジーニアスからよく聞く話は“女好き”“アホ神子”などでしたが…
と一緒にいる時は、真反対ですね。





私達がこうして話している間も、はギートと楽しそうに遊んでいます。
いいなあ…私も入れてほしいです。





「そんじゃ取り敢えず荷物を置きに行くか。ー行くぞ」
「あいっ!」





一先ず私達が今夜寝る部屋へ移動です。




















「わーひっろーい!!しかも眺めもチョー良いよ!!これは滞在中に良い絵が描けそうだなー」

「あ、あの…ベリル。お願いがあるんですが…」

「ん?」





―――ゴニョゴニョ――――





「おっけー!まっかせて!」
「本当です?!ありがとうございます!」
















コンコン






「はい?どなたです?」


なのー」




可愛らしい訪問者さんが来ました。
ドアを開けてみると、何やら外装備をしたの姿。





「?何処かに行くんです?」

「くえすといくからえすてるもいっしょにいこー」






あ、そうでした!
確か先程ナタリア達が言ってましたね!!

でも、私とだけで…???




「二人で行くんです?」
「んーん。ゆーりおにーちゃとらぴーどがいっしょなの」
「そうですか。じゃあギルドまで一緒に行きましょうか」
「あいっ!」





ギルドまで二人でお散歩ですねっ!

















「今日は私がを守りますね!」

「?だめだよー。がえすてるをまもるのっ」

「でも…は今…」

「おとこはおんなのこをまもるの!えすてるはおひめさまだからがおまもりするの」





…はう!!!

が王子様みたいです!


嬉しいですけど…正直、元に戻った時にも言って欲しいです。







仲良く手を繋いで、歩いていけばギルドの前でユーリとラピードが待ってくれているのが見えました。








「らぴーどっ!」
「ワウ!」


はラピードの姿を見るなり、飛びついてしまいました。
羨ましいです…はラピードに触れて…グスン。





「おいおい、。俺には挨拶は無いのか?」

「ゆーりおにーちゃ!きょーはがんばろーね」

「おー。先生の力見せてもらうぜー」

「あいっ!」








「ユーリはがクエストに出ること反対じゃないんです?」

「んー…まぁあのリヒターが大丈夫だって言ってたしな。なんかあったら俺達が守ればいいだろ?」

「そうです…ね」










本日受けたクエストは≪ウルフの牙を5本納品≫




ウルフは素早いモンスターですから、注意していないとの所へ行くかもしれません…。
なるべく、の邪魔をさせないようにしなければ…。






「そうだ。、こうしてろ」

「う?」



ユーリはを抱き上げ、ラピードの上に乗せました。





「これで、とりあえず詠唱しながらでも逃げられるだろ」

「ワウ」

「落ちないでくださいね、

「あい!」











ウルフが現れ、戦闘開始です。

前衛であるユーリが奮闘してくださってはいますが、やはり何体かは私やの方へ来ます。
私は大丈夫ですが、は……。



「……おこれ、ほえろ、らせんのしょーぐん!!はぼっくげいる〜!!!」





見事ラピードに乗りながら、詠唱を完成させてます。








「…す、すごいです、

「おーこりゃやるもんだ。負けてられねーな、エステル」

「はい!」






は小さくなる前と変わらない実力で次々とウルフを倒していきました。
凄いです…これなら、前と同じくらいの速度でクエストをこなす事が出来るんじゃ…。


あ、でも一つ問題がありました。






「…つかれたの〜…」



の体力が小さくなったことで半減してしまったことです。
杖も身の丈に合っていませんし、手足が短い所為で私達の二倍か三倍は動かなければなりません。




、大丈夫です?クエストはもう終わりましたから帰れますよ」
「…だいじょうぶなの。はまだできるの」
「でも…」




普段なら一日に数件クエストをこなす
まだ今日は一件しか達成出来ていないのが悔しそうです。


そんなをユーリは抱き上げて肩に乗せました。





、実はこの後俺買い物に行かなきゃいけねえんだけど手伝ってくれねえか?それともクエストじゃなきゃ嫌か?」

「…!ううん、おかいものいく!!」

「そっか、なら頼むぜ」







やっぱりユーリには敵いませんね。







「えすてるー!えすてるもいこー!」



「…はい!」

























その後、皆で買い物や散歩をしたりしてとっても楽しかったです。
は疲れたのか眠ってしまいました。
ユーリの背中で気持ち良さそうに眠っているを見てるとなんだか暖かい気持ちになります。










「ただいま戻りました。ごめんなさい、遅くなってしまって」

「おかえりー!あれ?ユーリだ。なんで…って、寝ちゃったのか」



玄関に出迎えてくれたベリルはを背負ったままのユーリを見ると状況を察してくれたようです。




「おーいモーゼスぅ!ちょっときてー!」


「なんじゃあ?ん?ユの字きちょったんか」
が寝ちゃってるんだ。連れてってあげなよ」
「ありゃ、寝てしもうたんか。ユの字すまんかったの」
「いーよ、今日頑張ってたみたいだしな。じゃ、世話役頼んだぜ」
「まかしちょけ!ん、起きたか?」






ユーリからモーゼスへ移動した時の目がうっすら開きました。
でもまだ覚醒しきれていないようで、ぼーっと宙を見つめています。



「ゆーり…」

「起きたか?









「今日はありがとな。また、次の時もよろしく」










!!!



「…っ」





今のは…本来の





「…じゃ…あね」



スースー



再び眠ってしまった
寝惚けていた…?でも……






「なんか安心したわ」

「そうじゃな」

「小さくなってもだね」


「はいっ!」